スコットランドに夢馳せて。

スコッチウイスキーの国、スコットランド。
タータンチェックの国、スコットランド。
伝統と格式ある文化のイメージが駆け巡る。
首都エディンバラは中世以来の幻想の街、グラスゴーは力漲る工業の街。
ゴルフ好きならセントアンドリュース、サッカー好きならセルティック、映画好きならユアン=マクレガー、世界にその名の知れる名物たくさんスコットランド。

日本でいえば東北地方?
荒波逆巻く日本海、それが差し詰め北海にあたるのだ。大陸沿岸部の影響をたくさん受けてきたそれぞれの歴史。きっと唐に怯え、長安に憧れた大和の人々のように、昔のスコティッシュたちもバイキングを恐れ、フランクの権勢に憧れたのかもしれない。

伊達政宗が天下取りを目指すも、秀吉に先を越されて夢破れていた頃、スコットランドは隣国イングランドのエリザベス女王治世を眺めていた時代。やがて乱世を超えて徳川幕藩体制が始まった1603年は、エリザベスの死去でスコットランド王家がイングランド王家を兼ねた同君連合の開始年。東西の島国が各々統一時代に入った年なのだ。

スコットランドに夢馳せて。
地図を見ながら夢見る大地。峻厳なる山々と飛沫を上げる川上と。
聞こえてくるのはバグパイプ、赤い頬した若者と熟練の赤鼻バグパイパー。視界の開けた丘の向こうで、競う音色がこだまする。

指でたどって列車旅行。
ロンドン、まだほの暗い朝のホームを出発し、エディンバラには昼頃到着。オールドタウンの町並みを眺め、テイクアウトのカプチーノを立ち飲み。日本で見慣れた左側通行の車道を、水のはねたあとがたくさん付いた車が行き交う。

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ウェイバリー駅から小一時間歩き、ヘイマーケット駅で再び列車に乗り込む。ブリットレイル=クラシックパスを使って、いよいよ明日からスコットランド散策だ。バノックバーンの古戦場にむけて、ひた走るボックスシートでまず一眠り。

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